は、羽生先生はもちろんなんですが、あらためて並べると谷川十七世名人や佐藤康光会長もすさまじい……。さらに「羽生世代」で言うと丸山忠久九段(973勝)、森内俊之九段(952勝)、郷田真隆九段(928勝)も1000勝が見えているし……。

 その中で羽生先生は今年からTwitterを始めています。分かりやすい将棋解説を発信してくれるとともに、親しみやすい人柄で大人気です。そんな羽生先生が先日、こんなツイートをしていました。

〈おはようございます。私の日曜日の楽しみは『鎌倉殿の13人』なのですが、源頼朝役の大泉洋さんは北海道TVの『水曜どうでしょう』がキッカケで大ブレイクされましたが、当時どの遠征先に行っても深夜TVをつけても大泉さんの番組を再放送していました。自分にとっては金太郎飴の様な存在です〉(原文ママ)

 通算タイトル獲得99期で、数多くのタイトル戦を戦い続けてきた羽生先生。まさに全国を駆け巡る「将棋版・対決列島」をしてきたわけですが、お忙しいスケジュールの中で、ちょっとした息抜きに『水曜どうでしょう』を見ていたのかも……と妄想してます(笑)。

 僕ら夫婦には「観る将」「サッカー好き」「水曜どうでしょう藩士」という共通点があるんですが、そのうち2つがヒットするとか最高すぎるじゃないですか! 羽生先生はスポーツに関する見識も深いとのことなので、サッカーの話題をツイートされる日が来てくれないかな、とウキウキします(笑)。

 なおこのツイートの後、羽生先生が「金太郎飴」という表現についての真意を再ツイートするなど、その実直さには敬服するばかりです……。誰もが見たことのない境地を歩み続ける羽生先生の探求を今後も楽しみにしています。

藤井五冠vs佐藤会長は名古屋に新設の「天空の対局場」で
 開幕した順位戦について、もう少しだけ。渡辺明名人への挑戦権を懸けるA級開幕局では、斎藤慎太郎八段が菅井竜也八段に勝利し、名人戦3年連続挑戦への好スタートを切っています。
そして藤井聡太竜王と佐藤康光九段、B級2組の杉本昌隆八段と佐々木慎七段の対局が「名古屋将棋対局場」での初公式戦として実施されました。

 東京と大阪に次ぐ公式対局拠点は「ミッドランドスクエア」という名古屋駅直結ビルの25階にできました(凄いロケーション……)。日本将棋連盟の公式HPには佐藤会長のコメントが「棋士にとりましても心躍る出来事で、大きな励みになることと思います。また、こけら落としの対局者として伺えますこと、大変光栄です」と掲載されていました。
さらに和服姿で対局に臨んだところに、佐藤会長の思いを感じ取りましたね。

 この対局はそれぞれ藤井竜王、佐々木慎七段が勝利。今後「天空の対局場」でどんな名局が生まれるか。佐藤会長の言葉を拝借すると――心が躍ります。