通算出場回数は33回目となる羽生九段がトップ

 JT杯の第1回に参加した4名は、大山十五世名人がこの13回まで、中原十六世名人が20回まで、米長永世棋聖は18回まで連続出場を達成している。

 加藤九段の連続出場は第9回で途切れたが、第14回に再び参加すると、22回まで連続出場した。この時の61歳が大山十五世名人に次ぐ、JT杯の年長記録である。還暦を過ぎて参加したのはこの2名しかいない。

 通算出場回数は、今回が33回目となる羽生九段がトップ。以下、谷川十七世名人が30、佐藤九段が24(今回を含む)、森内九段が23、丸山九段が21、中原十六世名人、郷田九段が20で、20回超えはこの7名である。

 今回の出場者は羽生九段、佐藤九段に続いて渡辺名人が17回目で、木村九段が10回目。2桁を数えるのはこの4名だ。以下、豊島JT杯覇者が8回目、山崎八段が6回目、糸谷八段が5回目、藤井竜王と菅井八段が4回目、永瀬王座と斎藤八段が3回目、稲葉八段が2回目となる。

もっとも高かった獲得賞金額は

 JT杯の出場条件が賞金ランキング上位者に変更されたのは2006年の第27回以降(それ以前は順位戦の上位者)だが、この年の賞金最上位は羽生九段の1億391万円(2005年の1月〜12月の金額)である。もっとも当時の羽生九段は王座・王位・王将の三冠を保持していたから、賞金ランキングで選ばれたわけではないが。

 逆に、JT杯に参加できる最低賞金額はどのあたりの水準なのだろうか。賞金ランキングがベスト20まで発表されていた年と、ベスト10までの年とあるので断定はできないが、1300万〜1500万円あたりだろうか。

 ちなみに、賞金ランキングが公開されるようになった1989年以降、もっとも高かったのは1995年の羽生九段で、獲得賞金額は1億6597万円だった。

本シリーズと同時に行われる「こども大会」も目が離せない

 JT杯はトップ棋士の選抜戦というだけでなく、全国各地で行われる公開対局という点でも注目が集まる。ネット配信で観戦するのも、公開対局を間近に見に行くのも、将棋ファンの楽しみの一つだろう。

 そして、JT杯と同時に行われる「テーブルマークこども大会」。今回の参加者の中では藤井竜王、斎藤八段、菅井八段はこども大会の優勝経験者だ。まだこども大会とプロ公式戦の双方を制覇した棋士はいないが、今回はどうなるだろうか。将来の大棋士が現れる可能性もあり、プロ公式戦ともども目が離せない。

INFORMATION

将棋日本シリーズ JTプロ公式戦/テーブルマークこども大会

公式サイト  https://www.jti.co.jp/culture/shogi/index.html

公式Twitter  https://twitter.com/jt_shogi

(相崎 修司)
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